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ムーディーズ/台風19号被害、アパートローン債権裏付け証券化商品で信用力が悪化

  • 2019.10.23
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ムーディーズは10月23日、台風19号の被害を受けて同社が格付けを付与するアパートローン債権を裏付けとする証券化商品(ABS)の一部の担保物件に深刻な被害をもたらしたと発表した。ローン債権は賃料収入の低下や地価の下落が見込まれ、貸し倒れになる可能性が高まっていることで当該案件の信用力がネガティブとした。格付を付与するアパートローンABS16案件のうち、4案件でサービサーによる第一報があり、ローン残高ベースで約1%(3案件)の担保物件で深刻な被害を被った。残る12案件は報告待ちといい、これら案件の浸水被害の大きい都道府県への割合は平均で約2割(ローン残高ベース)となっている。

ただ、その他の資産の日本の証券化商品に与える悪影響は限定的であるとした。シニア・アナリストの藤原奈芳美氏は、「その他の証券化商品の裏付債権プールは、債権数が多く非常に分散しているため、深刻な被害を被った債権があったとしても、アパートローンABSのように集中度の高い案件と比較して、その割合は限定的となるだろう」と説明している。

台風19号は特定非常災害・激甚災害に指定され、債務者の負担を軽減する救済措置が講じられるため、特にリコースローンの延滞や貸し倒れリスクの緩和要因になると見込む。
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